恋愛において「根が優しい人」は素敵だと言われています。思いやりがあって、相手の気持ちを大切にし、献身的で誠実。誰もがそんなパートナーを求めているように思えますよね。でも、ちょっと立ち止まって考えてみませんか?その「優しさ」が、実は恋愛の妨げになっていることもあるのではないでしょうか。
今日は少し違った視点から、恋愛における「優しさ」について考えてみたいと思います。決して優しさを否定するわけではありません。ただ、時には「優しさ」とは異なるアプローチが恋愛を成功に導くこともあるという話です。
私自身、恋愛カウンセラーとして多くのカップルの相談に乗ってきましたが、「優しすぎて恋愛がうまくいかない」という悩みは意外と多いんです。そこで今回は、あえて「根が優しい人」の対極にある恋愛スタイルを探ってみましょう。
「自分軸」を持つことの重要性
一般的に「根が優しい人」は相手を優先する傾向があります。デートの予定も相手の都合に合わせ、食事も相手の好みを選び、常に「あなたはどうしたい?」と尋ねます。一見素晴らしい姿勢に思えますが、これが長期的に続くと問題が生じることがあります。
対照的なアプローチとして「自分軸」を持つ恋愛があります。これは自己中心的になるという意味ではなく、自分の価値観や意見をしっかり持ち、それを適切に表現するということです。
「自分はこうしたい」「これが好き」と明確に伝えることで、相手に安心感を与えることができるのです。なぜなら、あなたの意見や好みがわかれば、相手も判断しやすくなるから。いつも「どっちでもいいよ」と言われると、実は相手も決断に迷ってしまうものです。
例えば、デートプランを考える時。「根が優しい人」なら「どこでもいいよ、あなたの行きたいところで」と言うかもしれません。でも「自分軸」のある人は「私は海が好きだから、今度の休みに江ノ島に行ってみない?でもあなたの意見も聞かせて」というように、自分の希望を伝えつつも相手の意見も尊重します。
この方法が効果的な理由は、相手に明確な選択肢を提示できること。そして何より、あなた自身の個性や魅力が伝わりやすくなるからです。恋愛とは結局、お互いの個性を認め合い、尊重し合う関係ですから、まずは自分をしっかり表現することから始まるのではないでしょうか。
適度な距離感が関係を深める
「根が優しい人」は相手に尽くす傾向があります。相手が困っていれば何でも助け、常に連絡を取り合い、できる限り一緒にいようとする。これも素晴らしい姿勢ですが、時に「息苦しさ」を生むこともあります。
対照的なアプローチは「適度な距離感」を保つこと。自分の時間や空間を大切にしながら、相手との時間も大切にするバランス感覚です。
例えば、パートナーが困っているとき。すぐに解決策を提示するのではなく、「大変だね。でも、あなたなら乗り越えられると思うよ。何か手伝えることがあれば言ってね」というように、信頼を示しながらも一歩引いた姿勢を取ることもあります。
また、毎日必ず連絡を取るのではなく、お互いの予定や気分に合わせて柔軟に連絡を取り合う関係性も、実は長続きすることが多いです。
この方法が効果的な理由は、お互いの「個」を尊重できるから。そして何より、再会した時の喜びが大きくなります。常に一緒にいると慣れてしまって、相手の存在が「当たり前」になりがちですが、適度な距離があることで「会いたい」という気持ちが強くなるものです。
ある30代の女性は言います。「以前の彼氏はいつも一緒にいたがって、正直疲れました。でも今のパートナーとは、お互いの趣味の時間も大切にしています。そのおかげで、会った時の会話も弾むし、関係が深まった気がします」
自己主張することの大切さ
「根が優しい人」は衝突を避ける傾向があります。相手を傷つけたくないという思いから、自分の意見や不満を抑え込み、相手に合わせがちです。でも、それが積み重なると、いつか爆発してしまうことも。
対照的なアプローチは「健全な自己主張」です。これは単なるわがままではなく、自分の気持ちや意見を適切に伝える技術です。
例えば、パートナーの行動が気になった時。「根が優しい人」なら黙って我慢するかもしれませんが、「健全な自己主張」ができる人は「正直、あなたの〇〇という行動は私にとって少し寂しく感じます。こうしてもらえると嬉しいな」というように、自分の気持ちを「私メッセージ」で伝えます。
この方法が効果的な理由は、小さな不満が大きな問題に発展する前に解決できるから。そして、お互いの理解が深まり、より強い信頼関係が築けるからです。
「私は昔、彼女の言動で気になることがあっても、関係が壊れるのが怖くて言えませんでした」と40代の男性は振り返ります。「でも、勇気を出して正直に話してみたら、彼女は『言ってくれてありがとう。気づかなかった』と言ってくれたんです。それからは何でも話せるようになり、関係が驚くほど良くなりました」
自分を大切にすることが相手も大切にする
「根が優しい人」は自己犠牲的になりがちです。自分の願望や夢を後回しにして、パートナーを支える傾向があります。短期的には素晴らしいことですが、長期的には自分を見失う危険性も。
対照的なアプローチは「セルフケア」の実践です。自分自身の幸せや成長を大切にしながら、パートナーとの関係も育むという考え方です。
例えば、自分のキャリアや趣味、友人関係などを大切にしながら、パートナーとの時間も充実させる。自分の心と体の健康を第一に考え、それがあってこそパートナーも大切にできると考えるのです。
この方法が効果的な理由は、自分を大切にする姿がパートナーに安心感と尊敬の念を与えるから。そして、お互いが充実した個人として成長することで、関係もより豊かになるからです。
「私は仕事も趣味も恋人も全部大切にしています」と語るのは、充実した恋愛関係を築いている20代後半の女性。「彼も自分の時間を大切にしているので、お互いに干渉しすぎず、でも支え合える関係です。以前の関係では相手に尽くしすぎて疲れ果てましたが、今は自分も相手も大切にする方法を学びました」
弱さを見せることの強さ
「根が優しい人」は相手に心配をかけたくないという思いから、弱音を吐かず、常に強さを装うことがあります。でも、それが逆に距離を生むこともあるのです。
対照的なアプローチは「適切な弱さの表現」です。これは単に愚痴をこぼすということではなく、自分の不安や悩み、時には涙も含めて、素直な感情を適切に表現するということ。
例えば、仕事で大きな失敗をした時。「大丈夫、何でもない」と取り繕うのではなく、「正直、すごく落ち込んでいる。でも、あなたがそばにいてくれるだけで心強い」と素直に伝えることで、逆に関係が深まることがあります。
この方法が効果的な理由は、弱さを共有することで信頼関係が強まるから。そして、お互いの人間らしさを受け入れ合える関係になるからです。
「私は昔、いつも『大丈夫』と言って、一人で問題を抱え込んでいました」と語るのは、10年以上のパートナーシップを築いている30代の男性。「でも、ある時本当に辛くて、パートナーに泣きながら悩みを打ち明けたんです。すると彼女は『あなたのそういう面も大好き』と言ってくれて。それからは素直に弱音を吐けるようになり、関係が一層深まりました」
「いいね」よりも「本音」を大切に
「根が優しい人」は相手を喜ばせたいという思いから、時に本音を隠して「いいね」と言うことがあります。相手の話に共感し、相手の選択を肯定する。それも大切ですが、時には違った意見を伝えることも必要です。
対照的なアプローチは「建設的な意見交換」です。これは単に反対意見を述べるということではなく、お互いの考えを尊重しながらも、異なる視点を提供するということ。
例えば、パートナーが何か決断を迷っている時。「何でもあなたの決めたことを応援するよ」と言うだけでなく、「こういう見方もあるけど、どう思う?」と新たな視点を提供することで、より良い決断につながることもあります。
この方法が効果的な理由は、多角的な視点が豊かな関係を築くから。そして、「いつも賛同してくれる人」よりも「時に異なる意見を言ってくれる人」の方が、実は信頼されることが多いからです。
ある40代のカップルは言います。「私たちはよく意見が合わないんです。でも、それが良いんですよ。お互いの考えを聞くことで視野が広がりますから。最初は衝突することもありましたが、今では異なる意見があることが当たり前になっています」
成功事例:「優しさ」を超えた先にある恋愛
これまでの話を踏まえて、実際に「根が優しい人」が別のアプローチを取ることで、恋愛が好転した例を見てみましょう。
事例1:自分軸を持つことで関係が深まった場合
健太さん(32歳)は典型的な「根が優しい人」でした。付き合っていた彩さん(30歳)のために何でも合わせ、自分の意見は控えめにしていました。しかし、彩さんは「健太さんの本当の気持ちがわからない」と不満を感じるようになりました。
ある日、健太さんは友人のアドバイスを受け、自分の意見や希望をしっかり伝えることにしました。最初は戸惑いましたが、「今度の休みは山登りに行きたい」「この映画は正直あまり好みじゃない」など、少しずつ自分の気持ちを伝えるようになりました。
すると驚いたことに、彩さんは「やっと本当の健太さんに会えた気がする」と喜んだのです。関係は一時的に難しくなるかと思いきや、むしろ深まりました。二人は今では結婚を考えるほどの仲になっています。
健太さんは振り返ります。「自分の意見を言うのは怖かった。でも言ってみると、彩さんは喜んでくれた。むしろ『いつも合わせてくれるのは疲れる』と思われていたみたい。今は互いの違いを楽しめる関係になれました」
事例2:適度な距離感が関係を救った場合
美咲さん(27歳)は恋人の翔太さん(29歳)のために常に時間を作り、毎日連絡を取り、週末は必ず会うようにしていました。しかし、ある時翔太さんから「少し息苦しい」と言われてしまいました。
ショックを受けた美咲さんでしたが、考え方を変えることにしました。自分の趣味の時間を大切にし、友人との関係も再構築。連絡も相手の反応を見ながら、適度な頻度に調整しました。
最初は不安でしたが、不思議なことに、会う頻度が減ったにもかかわらず、会った時の会話は以前より弾むようになりました。それぞれの生活で新しい経験があるからこそ、共有することが増えたのです。
1年後、翔太さんからプロポーズされた美咲さんは言います。「距離を取ることで、かえって心の距離が近づきました。今では『会いたい』という気持ちを大切にしています」
事例3:自己主張が関係を進展させた場合
優しい性格の拓也さん(35歳)は、4年間付き合っている恵さん(33歳)との関係が停滞していました。何か問題があっても「大丈夫」と言い、自分の不満や願望を伝えられなかったのです。
カウンセリングを受ける中で、拓也さんは自分の気持ちを適切に伝える練習を始めました。最初は緊張しましたが、「結婚について話し合いたい」「もっと二人の将来について考えたい」と、徐々に自分の思いを伝えるようになりました。
するとある日、恵さんは涙ながらに「実は私も同じことを考えていたけど、拓也さんが言い出さないから、関係に不安を感じていた」と打ち明けたのです。二人は真剣に将来について話し合い、半年後に婚約しました。
拓也さんは言います。「自分の気持ちを伝えるのは怖かった。でも伝えなければ何も始まらないと気づきました。今では何でも話せる関係になれて幸せです」
自分らしさを大切にした恋愛のためのヒント
「根が優しい人」が新しいアプローチを試みるのは、簡単なことではありません。長年の習慣を変えることになるからです。でも、少しずつ変化を取り入れることで、より充実した恋愛関係を築けるかもしれません。
以下に、具体的なヒントをいくつか紹介します。
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小さなことから自分の意見を言う練習をしましょう。映画の感想や食事の好みなど、リスクの低いことから始めるといいでしょう。
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「NO」と言う練習をしましょう。すべての誘いや要求に応える必要はありません。丁寧に断ることも、自分と相手を尊重する方法です。
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自分の時間を大切にしましょう。趣味や友人との時間、一人でリフレッシュする時間も必要です。それがあってこそ、パートナーとの時間も充実します。
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感情を素直に表現する練習をしましょう。「嬉しい」「悲しい」「不安」など、自分の感情に名前をつけて伝えてみましょう。
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パートナーの意見に必ずしも同意する必要はありません。異なる視点があることが、関係を豊かにします。
大切なのは、「優しさ」そのものを捨てることではなく、優しさの表現方法を広げることです。相手を思いやる気持ちはそのままに、自分自身も大切にする。そのバランスが、実は最も「優しい」在り方なのかもしれません。
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