恋愛雑誌やネット記事を見ると、「ダメンズ」の特徴として、自己中心的、責任感がない、承認欲求が強いといった内容がよく挙げられています。確かに、極端にそうした特徴を持つ人との関係は難しいでしょう。でも、長年恋愛相談を受けてきた私が気づいたのは、実は「その逆を完璧にこなす男性」との恋愛も、意外とうまくいかないケースが多いということです。
今日は、一般的に言われる「理想の男性像」とは少し違う視点から、本当に幸せな恋愛につながった事例をお話ししたいと思います。きっと、あなたの恋愛観が少し変わるかもしれません。
「自分の話をしない」控えめすぎる男性の意外な魅力
一般的に、自分の話ばかりする男性は「自己中心的なダメンズ」と言われます。だから多くの男性は、デートで自分の話を控えめにし、女性の話を聞こうとします。でも実は、自分のことをほとんど話さない男性との恋愛が、深い絆を生むことがあるんです。
ある女性の話を聞いてください。彼女が出会った男性は、デートの度に彼女の話を熱心に聞いてくれました。仕事のこと、趣味のこと、家族のこと。でも、彼自身のことはほとんど話さない。質問しても「まあ、普通だよ」「特に変わったことはないかな」と、具体的なことを語ろうとしませんでした。
最初は「謙虚で素敵な人」と思っていたそうです。でも、数ヶ月経っても彼の内面が見えてこない。仕事で何を考えているのか、何が好きで何が嫌いなのか、過去にどんな経験をしてきたのか。そういったことが、まったくわからなかったんです。
転機が訪れたのは、ある雨の日のことでした。デートの約束をしていた日に、彼から「ごめん、今日は会えそうにない」と連絡が来ました。理由を聞いても「ちょっと用事ができて」としか言いません。彼女は不安になり、彼の家まで行ってみることにしました。
そこで見たのは、びしょ濡れになりながら、近所の高齢者の方の自転車を直している彼の姿でした。話を聞くと、その方は彼が小さい頃からお世話になっている近所のおばあさんで、自転車が壊れて困っていると聞いて、デートの時間を忘れて夢中で直していたそうです。
「なんで言ってくれなかったの?」と聞くと、彼は照れくさそうに「別に大したことじゃないし、自慢みたいに聞こえるのも嫌だから」と答えました。その瞬間、彼女は気づいたそうです。彼は自分のことを話さないのではなく、「自分のことを語るのが苦手」だったのだと。
なぜこの「自分を語らない」姿勢が、結果的に魅力となったのか。それは、彼女が「彼のことを知りたい」という探究心を持ち続けられたからです。すべてをさらけ出す人との関係は、最初は新鮮でも、やがて「もう知っていることばかり」になってしまいます。でも、少しずつしか見せない人との関係は、常に新しい発見があり、長く一緒にいても飽きることがないんです。
彼女は言います。「今でも、彼と過ごすたびに新しい一面を発見する。10年付き合っても、まだ知らない彼がいる気がする。その『謎めいた部分』が、ずっと彼に惹かれ続ける理由なのかもしれない」
二人は結婚し、今でも幸せに暮らしているそうです。彼は相変わらず自分のことをあまり話しませんが、その控えめな姿勢が、彼女にとっては何よりも魅力的なのだといいます。
「完璧に責任を取る」より「弱さを見せる」勇気
責任感がなく、何でも人のせいにする男性は確かに問題です。でも、逆に「完璧に責任を取ろうとする」男性も、実は恋愛において難しい面があります。そして、適度に弱さを見せられる男性の方が、深い関係を築けることがあるんです。
ある女性が付き合っていた男性は、まさに「完璧な責任感」を持つ人でした。仕事でも私生活でも、すべての責任を自分で背負い込む。何か問題が起きても、決して人のせいにせず、「自分がもっとこうすればよかった」と反省する。周りからの評価も高く、「頼りがいのある男性」として知られていました。
でも、彼女は次第に息苦しさを感じるようになりました。なぜなら、彼は自分の弱さを一切見せなかったからです。疲れていても「大丈夫」と言い、困っていても「自分でなんとかする」と言う。彼女が何か手伝おうとしても、「君には迷惑かけられない」と断る。
ある日、彼が深夜まで残業して帰ってきた時、彼女は思い切って聞きました。「ねえ、本当は疲れているんじゃない?たまには弱音を吐いてもいいんだよ」すると彼は、少し困ったように笑って「俺が弱音を吐いたら、君が不安になるでしょ」と答えました。
その言葉に、彼女はハッとしました。彼は、彼女を守ろうとするあまり、自分の弱さを隠していたんです。でもそれは、彼女に「頼られていない」「必要とされていない」という寂しさを感じさせていました。
転機が訪れたのは、彼が大きなプロジェクトで失敗をした時でした。それまで常に完璧だった彼が、初めて深く落ち込んでいました。彼女は、何も言わず彼の隣に座り、ただ肩を寄せました。すると彼は、これまで見せたことのない表情で「実は、ずっと怖かったんだ。失敗したら君に嫌われるんじゃないかって」と打ち明けました。
彼女は涙が出そうになりました。彼の「弱さ」を初めて見た瞬間、彼がより人間らしく、より愛おしく感じられたからです。「あなたが完璧だから好きなんじゃない。あなただから好きなの。弱いところも含めて、全部あなたなんだよ」そう伝えると、彼は初めて彼女の前で泣きました。
なぜ「弱さを見せる」ことが効果的だったのか。それは、弱さを共有することで、二人の関係が「一方的に守る・守られる」という構図から、「お互いに支え合う」という対等な関係に変化したからです。完璧な人の隣にいると、自分も完璧でなければならないというプレッシャーを感じます。でも、お互いに弱さを見せ合える関係は、どんな時も安心していられる関係なんです。
その後、二人の関係はより深まりました。彼は少しずつ、自分の不安や疲れを素直に伝えるようになり、彼女もまた、自分の弱さを隠さなくなりました。「完璧じゃないからこそ、お互いに必要とし合える」そう彼女は語ります。
「SNS依存」より「承認欲求のなさ」が生む問題
SNSに夢中で承認欲求が強い男性は、確かに恋愛において問題になることがあります。でも実は、その真逆、SNSをまったくやらず、承認欲求がなさすぎる男性との恋愛にも、意外な落とし穴があるんです。
ある女性が出会った男性は、SNSアカウントを一切持っていませんでした。インスタグラムもツイッターもフェイスブックも、何もやっていない。最初は「SNSに惑わされず、現実を大切にする人なんだ」と好印象だったそうです。
でも、付き合いが深まるにつれ、彼女は違和感を覚え始めました。デートで素敵なレストランに行っても、綺麗な景色を見ても、彼は写真を撮ろうとしません。彼女が「写真撮ろうよ」と言っても、「別にいいじゃん」と興味なさそう。二人の思い出を形に残したいと思う彼女の気持ちを、彼は理解できませんでした。
もっと困ったのは、彼女の友人や家族に紹介する時でした。彼女は、大切な人に彼のことを知ってもらいたかった。でも彼は「別に俺のことなんて話さなくていいよ」と言います。彼女が彼との写真をSNSに載せようとすると、「俺はいいから、載せないで」と断られました。
彼女は次第に不安になりました。「彼は、私との関係を周りに知られたくないのだろうか」「私のことを大切に思っていないのだろうか」そんな疑念が湧いてきたんです。
ある日、彼女は思い切って気持ちを伝えました。「私は、あなたとの時間を大切な人たちと共有したい。それは承認欲求じゃなくて、幸せを分かち合いたいという気持ちなの」すると彼は、初めて真剣な表情で「ごめん、俺は人からどう思われるかを気にしないことが正しいと思っていた。でもそれは、君の気持ちを無視していたんだね」と答えました。
それから彼は、少しずつ変わっていきました。SNSのアカウントを作ったわけではありませんが、彼女が写真を撮りたいと言えば一緒に撮るようになり、彼女の友人との集まりにも積極的に参加するようになりました。そして何より、「君が俺のことを大切に思ってくれているから、周りに紹介したいんだよね。それって嬉しいことだ」と理解してくれました。
なぜ適度な「承認欲求」が必要なのか。それは、人間関係において「相手に認められたい」「大切にされたい」という欲求は、決して悪いものではないからです。むしろ、そういった欲求があるからこそ、お互いに努力し、関係をより良いものにしようとするんです。
彼女は言います。「承認欲求が強すぎるのも問題だけど、なさすぎるのも問題。適度に『君に認めてもらえると嬉しい』と思ってくれる人の方が、関係は深まると思う」
二人は今、お互いの価値観を尊重しながら、バランスの取れた関係を築いています。彼はSNSこそやりませんが、彼女の大切にしたいことを理解し、受け入れてくれる。そのことが、彼女にとって何よりも大切なのだといいます。
「共感のしすぎ」より「適度な距離」が生む健全さ
共感能力が低い男性は確かに問題です。でも、逆に「共感しすぎる」男性との恋愛も、実は難しい面があるんです。適度な距離感を保てる男性の方が、健全な関係を築けることがあります。
ある女性が付き合っていた男性は、とても優しく、彼女の気持ちに寄り添ってくれる人でした。彼女が悲しい時は一緒に泣き、怒っている時は一緒に怒り、常に彼女の感情に同調してくれました。最初は「こんなに自分のことをわかってくれる人は初めて」と感動したそうです。
でも、次第に息苦しさを感じるようになりました。彼女が仕事で嫌なことがあった日、「上司に理不尽なことを言われて腹が立った」と愚痴を言うと、彼は「それはひどい!そんな上司、最低だ!」と激しく同調します。そして、「君はそんな会社、辞めた方がいい」とまで言い出しました。
でも、彼女が本当に求めていたのは、そこまでの共感ではありませんでした。ただ話を聞いてほしかっただけで、会社を辞めるつもりはなかったんです。それなのに、彼は彼女以上に怒り、彼女以上に傷ついているように見えました。
ある日、彼女が少し落ち込んでいる様子を見せると、彼は仕事を早退してまで駆けつけてきました。「大丈夫?何があったの?」と心配そうに聞く彼に、彼女は「そんなに大したことじゃないから、仕事早退しなくてよかったのに」と答えました。でも彼は「君が落ち込んでいるのに、仕事なんてしていられない」と言います。
その時、彼女は気づきました。彼は共感しすぎるあまり、彼女の感情と自分の感情の境界線が曖昧になっているんだと。彼女が悲しいと彼も悲しくなり、彼女が怒ると彼も怒る。二人は一心同体のようで、でもそれは時として、彼女自身の感情を処理する機会を奪っていました。
彼女は、思い切って彼に伝えました。「あなたの優しさは本当に嬉しい。でも、私の感情は私のもので、あなたまで一緒に落ち込む必要はないの。時には、私の話を聞いて、でもあなた自身は冷静でいてくれた方が、私も楽になれると思う」
その言葉は、彼にとって衝撃的だったようです。彼は「共感することが愛情だと思っていた」と言いました。でも、彼女の話を聞いて、「共感することと、感情を一緒にすることは違う」ということを理解したそうです。
それから彼は、彼女の話を聞く姿勢を変えました。彼女が悲しい時、「それは辛かったね」と受け止めつつも、「でも、君なら乗り越えられると思うよ」と前向きな言葉をかけるようになりました。彼女が怒っている時も、一緒に怒るのではなく、「そう感じるのも無理ないね。どうしたい?」と冷静に問いかけるようになりました。
なぜ「適度な距離」が効果的なのか。それは、恋愛において二人は別々の個人であり、それぞれが自分の感情に責任を持つ必要があるからです。共感しすぎると、相手の感情に飲み込まれ、自分を見失ってしまいます。適度な距離を保つことで、お互いが自立した個人として、健全な関係を築けるんです。
彼女は言います。「今の彼は、私の話を聞いてくれるけど、私の感情に引きずられない。その『冷静さ』が、実は一番の支えになっている。共感してくれるけど、同情はしない。その距離感が、今の私たちには合っている」
二人は結婚を視野に入れた関係を続けています。お互いに適度な距離を保ちながら、でも確実に支え合っている。その健全なバランスが、長く続く関係の秘訣なのだといいます。
「計画的すぎる」より「今を生きる」姿勢の価値
将来のビジョンがなく、その日暮らしの男性は確かに不安です。でも、逆に「計画的すぎる」男性との恋愛も、予想外の窮屈さを生むことがあります。今を大切にする姿勢が、かえって豊かな関係を築くこともあるんです。
ある女性が出会った男性は、将来設計が完璧な人でした。5年後、10年後、20年後の計画がすべて決まっていて、貯金額、キャリアプラン、結婚の時期、子供の人数まで、すべてが綿密に計算されていました。最初は「しっかりした人」と安心したそうです。
でも、付き合いが深まるにつれ、彼女は違和感を覚え始めました。デートの予定も、旅行の計画も、すべて彼が事前に決めていました。「来月はこのレストラン、再来月はこの映画、夏休みはこの旅行先」と、半年先まで予定が埋まっていました。
ある週末、彼女は思いつきで「今日、海に行かない?天気もいいし」と提案しました。でも彼は困った顔をして「今日は予定にないよ。来月の予定で海水浴を入れているから、それまで待とう」と答えました。彼女は、その瞬間の「行きたい」という気持ちを大切にしたかったのに、彼には理解してもらえませんでした。
もっと困ったのは、彼の「人生設計」に彼女を当てはめようとする姿勢でした。「結婚は30歳、第一子は32歳、第二子は35歳で」と、彼女の意見を聞かずに決めていました。「君もこの計画に賛成だよね?」と聞かれた時、彼女は言葉に詰まりました。
ある日、彼女は正直に伝えました。「私は、そこまで先のことは決められない。もちろん将来のことは大切だけど、今この瞬間を楽しむことも大切にしたい。計画通りに生きることが幸せとは限らないと思う」
彼は驚いたようでした。「でも、計画がないと不安じゃない?」と聞き返されましたが、彼女は「不安もあるけど、予測できないことが起きるのが人生だと思う。その時その時で、最善を尽くせばいいんじゃないかな」と答えました。
その会話をきっかけに、二人は価値観の違いに気づきました。彼は「安定と計画」を重視し、彼女は「自由と柔軟性」を重視していたんです。結局、二人は別れることになりましたが、彼女は後悔していないと言います。
その後、彼女は別の男性と出会いました。その男性は、仕事では計画的ですが、プライベートでは「その時の気分」を大切にする人でした。急に思い立って旅行に行ったり、予定を変更して面白そうなイベントに参加したり。将来については「一緒にいたいと思える相手と、自然な流れで結婚できればいいな」という、ゆるやかなビジョンしか持っていませんでした。
最初は「大丈夫かな」と不安もありましたが、一緒に過ごすうちに、その「今を大切にする姿勢」が心地よくなっていきました。予定通りにいかないことがあっても、「それはそれで面白いね」と楽しめる。予想外の出来事を、一緒に楽しめる。そういった柔軟性が、関係をより豊かにしていきました。
なぜ「今を生きる」姿勢が効果的なのか。それは、人生において最も確実なのは「今」だけだからです。どんなに計画を立てても、予測できないことは起こります。そんな時、計画通りにいかないことに苛立つよりも、その状況を楽しめる人の方が、結果的に幸せな人生を送れるんです。
彼女は言います。「彼と一緒にいると、毎日が新鮮。明日何が起こるかわからないけど、それが怖くない。なぜなら、どんなことが起きても、一緒に乗り越えていけるという信頼があるから」
二人は結婚し、今では子供も生まれました。相変わらず、計画通りにはいかない日々ですが、その予測不可能さを二人で楽しんでいるそうです。「計画は大切だけど、計画に縛られない。その自由さが、私たちの幸せの秘訣」と彼女は微笑みます。
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