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「大切な存在」と言われて付き合えない時こそ距離を置くべき理由

恋愛に関するアドバイスを検索すると、「自然な接点を増やしましょう」「共通点を見つけて距離を縮めましょう」「タイミングを見極めて少しずつ好意を伝えましょう」といった言葉がたくさん出てきます。確かに、こうしたアプローチは王道であり、多くの恋愛指南書に書かれている内容です。

でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。

「大切な存在だけど付き合えない」と言われた時、本当にそのまま接点を増やし続けることが正解なのでしょうか。共通点を探して相手に合わせ続けることが、あなたを幸せにしてくれるのでしょうか。

実は、こうした「王道」とされるアプローチをやめて、あえて逆のことをした人たちの中に、最終的に素敵な恋愛を手に入れた人がたくさんいるのです。今日は、そんな「逆転の発想」についてお話ししたいと思います。

まず最初にお伝えしたいのは、「接点を自然に増やす」という考え方への疑問です。

よくある恋愛アドバイスでは、相手との接点を増やすことが関係発展の第一歩だと言われています。偶然を装って相手の近くにいる機会を作ったり、共通の友人を介して会う場を設けたり。確かに、会う回数が増えれば親密さも増すという心理学的な理論は存在します。

しかし、「大切な存在だけど付き合えない」という言葉をもらった状況では、この法則がうまく機能しないことが多いのです。

なぜなら、相手はすでにあなたのことを「大切」だと認識しているからです。問題は「知らないから付き合えない」のではなく、「知っているけれど付き合うという選択ができない」という状態にあります。この段階で接点を増やし続けると、相手にとってはプレッシャーになってしまうことがあります。

ある女性の話をしましょう。彼女は職場で気になる男性から「君は本当に大切な存在だけど、今は仕事に集中したいから付き合うのは難しい」と言われました。一般的なアドバイスに従えば、ここから自然な接点を増やして、少しずつ距離を縮めていくところです。

でも彼女は違う選択をしました。「わかった、私も自分の時間を大切にするね」と言って、それまで頻繁にしていたランチの誘いをやめたのです。仕事中の雑談も減らし、自分の業務に集中するようになりました。

最初は少し寂しかったそうです。でも三か月ほど経った頃、今度は相手の方から「最近、一緒にご飯行ってないね」と声をかけてきたのです。そこから二人の関係は少しずつ変化し、半年後には正式に交際を始めることになりました。

この例が示しているのは、「距離を置く」というアプローチの効果です。

人間には「リアクタンス」と呼ばれる心理があります。これは、自分の自由が制限されそうになると、それに抵抗したくなるという心理です。逆に言えば、いつでも手に入ると思っているものには、あまり価値を感じなくなってしまうこともあるのです。

距離を置くことで、相手は「あれ、いつもそばにいてくれた人がいない」という感覚を持ちます。それが、あなたの存在の大切さを改めて実感させるきっかけになることがあるのです。

次に考えたいのは、「共通点を見つける」というアドバイスについてです。

共通の趣味や価値観を見つけることで親密さが増すというのは、確かに心理学的にも裏付けのある話です。でも、「大切な存在だけど付き合えない」という状況では、これが逆効果になることがあります。

なぜでしょうか。

それは、共通点を探し続けることが、「相手に合わせている自分」を作り出してしまうからです。相手の好きな映画を見て、相手の趣味に興味を持って、相手の価値観に同調して。一見、仲良くなれているように見えますが、実はそこにいるのは「本当のあなた」ではなくなっているかもしれません。

そして相手は、意外とそのことに気づいています。

「この人は僕に合わせてくれているな」という感覚は、最初は心地よく感じられるかもしれません。でも時間が経つにつれて、「本当のこの人はどんな人なんだろう」「僕といる時といない時で違う人なのかな」という疑問が生まれてくることがあります。それが、関係を進展させることへの躊躇につながっている可能性があるのです。

ある男性の体験談があります。彼は長年想い続けていた女性に「あなたは特別な人だけど、恋人としては見られない」と言われ続けていました。彼はずっと、彼女の好みに合わせようとしていました。彼女が好きなアーティストのライブに一緒に行き、彼女が興味を持っている分野の勉強を始め、彼女の友人グループにも積極的に参加していました。

転機が訪れたのは、彼が仕事の関係で地方に転勤になった時でした。物理的に離れたことで、彼は自分自身の趣味や関心事に向き合う時間ができました。それまで彼女に合わせていた部分から離れ、本来の自分が好きだった音楽や、昔やっていたスポーツを再開したのです。

SNSで彼の投稿を見た彼女から、「なんか最近すごく楽しそうだね」というメッセージが届きました。「こういう一面があるなんて知らなかった」と。

結果的に、二人は遠距離恋愛を経て、彼が戻ってきてから正式に交際を始めました。彼女は後から「合わせてくれている感じがして、少し息苦しかった部分があった。でも離れてから見た本当のあなたに、初めて恋愛感情を持てた」と打ち明けてくれたそうです。

この話が教えてくれるのは、「違い」を見せることの大切さです。

共通点ではなく、あなただけが持っている個性や魅力を見せること。相手に合わせるのではなく、自分らしさを貫くこと。それが時として、相手の心を動かす力を持っているのです。

三つ目に考えたいのは、「タイミングを見極める」というアドバイスです。

恋愛において、タイミングは確かに重要です。でも「大切な存在だけど付き合えない」と言われた後に、タイミングを計って少しずつ好意を伝えていくというのは、実はとても難しいアプローチなのです。

なぜなら、相手はすでに一度、関係の進展にブレーキをかけているからです。その状態で「また会いたいな」「一緒にいると落ち着く」といったサインを送り続けると、相手は「この人は自分の気持ちを聞いてくれていない」と感じてしまうことがあります。

むしろ効果的なのは、タイミングを計ることをやめてしまうことかもしれません。

つまり、相手のことを考えすぎず、自分の人生を生きることに集中するということです。恋愛のタイミングを計っている間、あなたの人生の他の部分が止まってしまっていませんか。仕事の目標、友人との関係、家族との時間、自分自身の成長。そういったものを後回しにして、相手との関係だけに意識が向いていないでしょうか。

ある女性は、五年間片想いを続けていた男性から「大切な友達のままでいたい」と言われた後、思い切って海外留学を決意しました。ずっと躊躇していた夢だったのですが、「どうせ待っていても仕方ない」という気持ちが、背中を押してくれたのです。

留学中、彼女は語学力を磨き、新しい友人を作り、異文化の中で視野を広げました。SNSでその様子を見ていた彼から、時々メッセージが届くようになりました。「すごいね、頑張ってるね」という言葉から始まり、次第に「帰ってきたら会いたい」「君のこと、ずっと考えてた」という内容に変わっていきました。

帰国後、二人は自然と交際を始めることになりました。彼は「待っていてくれると思っていた自分が傲慢だった。君が自分の人生を歩み始めた時、初めて君を失うかもしれないと思って、自分の本当の気持ちに気づいた」と話してくれたそうです。

これが示しているのは、「待つ」ことと「生きる」ことは両立しないということです。

タイミングを見極めようとして相手の様子をうかがい続けることは、結果的にあなたの人生を止めてしまいます。そして、止まったままの人に、人は心を動かされることは少ないのです。

四つ目は、「相手の心理を理解しようとする」というアドバイスについてです。

特に「男性心理を理解する」という言葉は、恋愛記事でよく見かけます。男性は慎重になりやすい、職場恋愛を避けたがる、責任を感じやすい、などなど。確かに傾向としてはあるかもしれませんが、これを意識しすぎることの弊害もあるのです。

相手の心理を理解しようとするあまり、「きっとこう思っているはず」「こうすれば安心してくれるはず」と、推測で行動してしまうことがあります。でもそれは、目の前にいる「その人」を見ているのではなく、「男性一般」や「こういうタイプの人」という枠組みを見ていることになってしまいます。

効果的なのは、相手の心理を推測することではなく、自分の気持ちをはっきり伝えてしまうことかもしれません。

「大切な存在だけど付き合えない」と言われた時、多くの人は「じゃあどうすれば付き合えるようになるんだろう」と考えます。相手の心理を分析し、障害を取り除く方法を探ります。でも、それはある意味で、相手の決断を尊重していないことにもなるのです。

ある男性の話です。彼は長年の友人である女性に想いを寄せていましたが、「友達でいたい」と言われ続けていました。彼は彼女の心理を分析し、「きっと友情を壊したくないんだ」「きっと過去の恋愛で傷ついているから慎重なんだ」と考え、ゆっくりアプローチを続けていました。

でもある日、彼は疲れてしまったのです。分析したり、計算したりすることに。

そこで彼は、こう伝えました。「君の気持ちはわかった。でも僕は君のことが好きだ。これからも友達でいることはできるけど、僕の気持ちは変わらない。もし君が友達としても一緒にいたくないなら、それも受け入れる。でも、僕はもう駆け引きはしない」

彼女はしばらく黙っていましたが、その後こう言いました。「いつも私の気持ちを考えてくれてるのはわかってた。でも、あなたが何を考えているのかわからなくて、怖かった。今の言葉で、初めてあなたのことがわかった気がする」

二人はその日から、少しずつ関係を変えていきました。最終的に交際に至ったのは、それから二か月後のことでした。

これが示しているのは、相手を分析する前に、自分を伝えることの重要性です。相手の心理を理解しようとする努力は大切ですが、それが「相手に合わせる」ことにすり替わってしまうと、本当の関係は築けません。

五つ目は、「素直さを大切にする」というアドバイスについてです。

一見、素直でいることは良いことのように思えます。でも「大切な存在だけど付き合えない」という状況で素直になりすぎることには、リスクがあります。

それは、相手にとって「都合の良い存在」になってしまうリスクです。

素直に好意を伝え、素直に寂しさを表現し、素直に会いたいと言う。それ自体は悪いことではありません。でも、相手が「付き合えない」と言っているにもかかわらず、変わらず好意を向け続けることは、結果的に「付き合わなくても自分のそばにいてくれる人」という位置づけを固定してしまうことがあるのです。

効果的なのは、素直さの中にも「境界線」を持つことです。

「あなたのことは好きだけど、このままの関係は私にとっても辛い」「大切に思ってくれているのは嬉しいけど、はっきりしない関係は続けられない」といった形で、自分の限界を伝えることも大切なのです。

ある女性の例があります。彼女は職場の先輩から「君は大切な後輩だけど、恋愛対象としては見られない」と言われていました。それでも彼女は素直に好意を伝え続け、誘われれば喜んで食事に行き、相談されれば親身になって話を聞いていました。

でもある日、彼女は気づいたのです。自分がどんどん消耗していることに。

そこで彼女は、こう伝えました。「先輩のことは好きです。でも、このままの関係は私にとって辛いです。しばらく距離を置かせてください」

先輩は驚いた様子でした。「え、そんなに辛かったの。ごめん、自分のことしか考えてなかった」と。

その後、先輩の方から連絡が来るようになりました。最初は「元気にしてる」という軽いものでしたが、次第に「会いたい」「話したい」という内容に変わっていきました。そして三か月後、先輩の方から「付き合ってほしい」という言葉が出たのです。

後から聞いた話では、「いつでもそばにいてくれると思っていた。でも離れて初めて、君がいない毎日がどれだけ寂しいかわかった。そして、その寂しさは友達としての感情じゃないと気づいた」ということでした。

最後に、「自分磨きを忘れない」というアドバイスについて考えてみましょう。

自分を磨くこと自体は素晴らしいことです。でも、「相手にとっての特別な存在になるために」自分を磨くという発想には、少し危うさがあります。

なぜなら、それは「相手に認めてもらうための自分磨き」になってしまうからです。相手の好みに合わせて外見を変え、相手が評価しそうなスキルを身につけ、相手が好みそうな性格を演じる。それは自分磨きではなく、「相手好みの自分」を作る作業です。

効果的なのは、「相手のため」ではなく「自分のため」に自分を磨くことです。

自分が本当にやりたいことに挑戦する。自分が心から楽しいと思える趣味を追求する。自分の価値観に基づいて、自分の人生を充実させる。その結果として魅力的になった自分を、相手が見てくれるかどうかは、正直わかりません。でも少なくとも、あなた自身は幸せになれます。

そして不思議なことに、「自分のために生きている人」には、独特の魅力があるのです。

ある男性の話があります。彼は憧れの女性に「良い人だけど、恋愛対象としては見られない」と言われていました。彼はその後、彼女のことを考えるのをやめて、ずっと挑戦したかったマラソンを始めました。最初は全然走れませんでしたが、少しずつ距離を伸ばし、一年後にはフルマラソンを完走するまでになりました。

その過程で、彼は変わっていきました。自分に自信が持てるようになり、姿勢も良くなり、表情も明るくなりました。何より、「誰かのためではなく、自分のために頑張る」という経験が、彼の芯の強さを作っていったのです。

マラソン完走の報告をSNSにあげた時、あの女性から久しぶりに連絡が来ました。「すごいね、見直した」という言葉と共に、「今度お祝いにご飯行こうよ」という誘いがありました。

その食事の席で、彼女はこう言いました。「前のあなたは、私に気に入られようとしてる感じがして、正直ちょっと苦手だった。でも今のあなたは違う。自分の足で立ってる感じがする。そういう人って、魅力的だなって思った」

二人は今、交際三年目を迎えています。

ここまで読んでくださった方は気づいているかもしれません。すべての「逆転の発想」に共通しているのは、「相手中心」から「自分中心」へのシフトだということです。

これは決して、相手を無視するということではありません。相手を大切に思う気持ちは持ったまま、でも自分の人生を相手に預けないということです。

「大切な存在だけど付き合えない」と言われた時、多くの人は「どうすれば付き合えるようになるか」を考えます。相手との接点を増やし、共通点を見つけ、タイミングを計り、相手の心理を分析し、素直に気持ちを伝え、相手好みの自分になろうとする。

でも、それらすべてが「相手に選んでもらうための努力」になっていませんか。

本当に大切なのは、「選んでもらう」ことではなく、「選び合える関係」を作ることかもしれません。そのためには、あなた自身が一人の人間として充実していることが必要なのです。

距離を置いてみる。自分らしさを大切にする。自分の人生を歩む。境界線を持つ。自分のために成長する。

これらは一見、恋愛を諦めているように見えるかもしれません。でも実は、これこそが最も健全で、最も可能性のあるアプローチなのです。

なぜなら、あなたが自分の人生を生き始めた時、相手は初めて「追いかけるあなた」ではなく「歩いていくあなた」を見ることになるからです。そして、一緒に歩きたいと思える人は、一緒に歩いていく人の背中を見た時に、その想いに気づくものなのです。

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