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「付き合わない」という選択が本当の幸せを生んだ話

「付き合う意味がわからない」と言われて、傷ついた経験はありませんか。世間では、付き合うことは愛の証明であり、本気の覚悟や独占欲の表れだと言われています。でも、私が恋愛カウンセリングの現場で出会ってきた数多くのカップルを見ていると、実は全く逆のケースで幸せをつかんでいる人たちがたくさんいるんです。

今日は、あえて一般的な恋愛観に疑問を投げかけてみたいと思います。本当に「付き合う」というラベルは必要なのでしょうか。

「付き合う」というラベルが関係を窮屈にする

一般的には、付き合うことで関係が安定し、両思いの確証を得られると言われています。でも実際には、その「付き合っている」という言葉に縛られて、かえって窮屈になってしまうカップルをたくさん見てきました。

32歳の女性、ユカリさんの話を聞いてください。彼女は2年前、ある男性と出会いました。お互いに惹かれ合い、毎週のように会って、深い話もするようになりました。でも彼は「付き合おう」とは言いませんでした。最初はモヤモヤしていたユカリさんでしたが、次第にその関係が心地よくなっていったそうです。

「付き合っているという前提がないから、毎回会うたびに『今日も会いたいと思ってくれたんだ』って新鮮な気持ちになれるんです。義務じゃなく、お互いが本当に会いたいから会っている。それって、実はすごく贅沢なことじゃないかって」

そう語るユカリさんの表情は、とても穏やかでした。今では3年目に入り、結婚の話も自然に出てきているそうです。付き合っているという「肩書き」がなかったからこそ、関係が自然に深まっていったのです。

なぜこの考え方が効果的なのか。それは、人間は「義務」や「当たり前」になった瞬間、相手への感謝や新鮮さを忘れてしまう生き物だからです。付き合っているという安心感が、時として油断や怠慢を生んでしまう。でも、ラベルのない関係では、毎日が選択の連続です。「今日も一緒にいたい」という気持ちを、毎回確認し合える。これって、実は理想的な関係性なのかもしれません。

独占欲がないほうが、相手は離れていかない

「独占欲があるから付き合いたい」というのも、よく聞く男性心理です。好きな人を自分だけのものにしたい。その気持ち、確かに理解できます。でも、皮肉なことに、独占しようとしないほうが相手は離れていかないんです。

43歳の経営者、ヒロシさんは、若い頃に独占欲の強さで何度も恋愛を失敗してきました。彼女の行動を制限したり、他の男性との交流を嫌がったり。そうするたびに、相手は窮屈さを感じて離れていきました。

転機が訪れたのは40歳を過ぎてからです。ある女性と知り合い、今度は全く逆のアプローチを取ってみたそうです。彼女が友達と旅行に行くと言えば「楽しんできてね」と送り出す。元カレの話が出ても、興味深く聞く。あえて付き合おうとも言わず、ただ一緒にいる時間を大切にしました。

「不思議なことに、束縛しないでいたら、彼女のほうから『あなたとずっと一緒にいたい』って言ってくれたんです。自由でいられるからこそ、僕の元に戻ってきてくれる。この安心感は、独占欲で縛っていた時には絶対に得られなかったものです」

心理学的にも、これは説明がつきます。人間は自由を奪われると、その自由を取り戻そうとする心理的反発(リアクタンス)が働きます。逆に、自由を与えられていると感じると、その環境を大切にしようとする。独占しない関係だからこそ、相手は自ら選んであなたの側にいてくれるのです。

覚悟がないほうが、関係は長続きする

「付き合うことは本気の覚悟を示す行為」。これも恋愛の世界でよく言われることです。でも、考えてみてください。その「覚悟」って、実は重すぎませんか。

27歳のフリーランスデザイナー、アヤカさんは、以前付き合っていた彼氏との関係に疲れ果てていました。彼は「付き合うからには結婚を見据えている」「本気だから束縛するのは当然」と、常に重い覚悟を押し付けてきました。最初は嬉しかったその言葉も、次第にプレッシャーになっていったそうです。

別れてから出会った今のパートナーは、全く違うタイプでした。「別に付き合ってるとかそういうの、どうでもよくない?ただ一緒にいて楽しいから、今日も会おうよ」。そんな軽やかな姿勢に、最初は戸惑いました。でも、その気楽さが心地よくて、気づけば5年が経っていたそうです。

「前の彼氏との1年よりも、今の彼との5年のほうがずっと短く感じます。それくらい、毎日が軽くて楽しい。覚悟なんてなくても、というか覚悟がないからこそ、自然と一緒にいる時間が積み重なっていくんだなって実感しています」

重い覚悟は、時として相手を縛り、自分自身も縛ります。「付き合っているから別れられない」「付き合っているから我慢しなきゃ」。そんな思考に陥ってしまう。でも、覚悟のない軽やかな関係なら、嫌なことがあれば素直に話せるし、無理に続ける必要もない。だからこそ、逆説的ですが、関係が健全に長続きするのです。

将来を考えないほうが、結婚にたどり着く

「将来的にそばにいたい」「結婚相手としての相性確認」。これも付き合う意味としてよく挙げられます。でも、最初から将来を考えすぎると、かえって結婚から遠ざかってしまうケースが多いんです。

35歳の会社員、タクヤさんは、20代後半から30代前半にかけて、何人もの女性と「結婚を前提に」付き合ってきました。でも、結婚を意識しすぎるあまり、相手の些細な欠点が気になり、「この人と本当に一生やっていけるのか」と不安になって別れを繰り返していました。

疲れ果てた彼は、もう恋愛も結婚も諦めかけていました。そんな時に出会ったのが、今の奥さんです。「もう将来とか考えるのやめよう。ただ今、この人と一緒にいるのが楽しい。それだけでいい」。そう思って関係を続けていたら、自然と結婚の話が出て、気づけばゴールインしていたそうです。

「将来を考えすぎていた時は、相手を値踏みしていたんだと思います。でも、今を大切にするようになってから、相手の良さが素直に見えるようになりました。結婚って、完璧な相手を見つけることじゃなくて、不完全な相手と一緒に今を積み重ねていくことなんだって、ようやく分かりました」

将来への不安から相手を審査するような関係よりも、今この瞬間を大切にする関係のほうが、結果的に長続きし、自然と将来につながっていく。これは多くのカップルを見てきた私の実感でもあります。

責任を感じないほうが、相手を大切にできる

付き合うことで生まれる「責任感」。これも重要だと言われますが、実は責任感が強すぎると、相手を本当の意味で大切にできなくなることがあります。

29歳の看護師、マイさんは、以前の彼氏から「付き合っているんだから、週に3回は会うべきだ」「彼女なんだから、俺の愚痴を聞くのは当然だ」といった言葉を何度も言われていました。彼氏なりの責任感の表れだったのかもしれませんが、マイさんにとっては重荷でした。

今の関係は全く違います。相手は「会いたい時に会えたら嬉しい」「話を聞いてくれてありがとう」と、いつも感謝の言葉を口にします。付き合っているという前提がないから、すべてが「してもらって当然」ではなく「してもらえたら嬉しい」になる。

「前の彼氏は責任感が強すぎて、私のことを『彼女という役割』として見ていた気がします。でも今の彼は、私を一人の人間として尊重してくれる。だからこそ、私も彼のために何かしてあげたいって自然に思えるんです」

責任という名の義務感よりも、自発的な思いやりのほうが、ずっと温かく、ずっと持続的です。相手のために何かをするのが「責任」ではなく「喜び」になる関係。それは、付き合うというラベルがないからこそ築ける関係性なのかもしれません。

スキンシップは付き合わなくても取れる

「付き合うことで堂々とスキンシップが取れる」というのも、よく聞く理由です。でも、これって本当でしょうか。付き合っているからといって、相手が望まないスキンシップを取っていいわけではありません。逆に、付き合っていなくても、お互いが望めばスキンシップは自然に生まれるものです。

38歳のヨガインストラクター、ケイコさんは、パートナーとの関係について面白い話をしてくれました。彼らは5年以上一緒にいますが、一度も「付き合おう」という言葉を交わしたことがないそうです。

「でも、手をつなぐのも、ハグするのも、全部自然です。むしろ、『付き合っているから』という理由でスキンシップを取るより、『触れたいから触れる』『抱きしめたいから抱きしめる』という純粋な気持ちでスキンシップを取るほうが、ずっと温かいと思います」

付き合っているという安心感から、相手の気持ちを確認せずにスキンシップを取る。これは時として相手の境界線を越えてしまうことがあります。でも、ラベルのない関係では、常に相手の気持ちを尊重する必要がある。その慎重さが、かえって相手を大切にすることにつながるのです。

両思いの確証なんて、いらないのかもしれない

「付き合うことで両思いの確証を得られる」。これも一般的な考え方です。でも、本当に確証って必要でしょうか。むしろ、確証を求めることが、関係を脆くしてしまうこともあります。

31歳のライター、サトシさんは、過去に何度も「好き?」「ちゃんと愛してる?」と確認を求める彼女と付き合ってきました。最初は愛情の深さだと思っていましたが、次第にその確認作業に疲れていきました。

今のパートナーとは、そういう確認を一切しません。「好きかどうかなんて、言葉で確認しなくても分かる。毎日の小さな行動や、一緒にいる時の空気感で伝わってくる。それで十分」と、彼女は言うそうです。

「不思議なことに、確証を求めない関係のほうが、ずっと安心感があります。言葉で確認された愛情より、日々の何気ない瞬間に感じる愛情のほうが、ずっと本物だと思えるんです」

両思いの確証を求める背景には、実は不安があります。「本当に愛されているのか」という不安。でも、その不安を言葉で埋めようとすればするほど、かえって不安は大きくなる。言葉に頼らない関係のほうが、実は深い信頼で結ばれているのです。

ゆっくり築く関係は、ラベルなしでもできる

「付き合う意味がわからないという男性は、関係をゆっくり築きたいのだ」という説明も一般的です。でも、ゆっくり築くことと付き合うことは、別に矛盾しませんよね。逆に言えば、付き合わなくてもゆっくり関係を築くことはできるのです。

実際、最も健全で深い関係を築いているカップルの多くは、「付き合う」というステップを急いでいません。むしろ、そのラベルなしに、友人としての時間、仲間としての時間、そして恋人のような時間を、ゆっくりと積み重ねていきます。

40歳の建築家、ナオキさんは、今のパートナーと10年以上の関係を持っていますが、いまだに「恋人」とも「友達」とも言い切れない関係だそうです。でも、お互いを深く理解し、尊重し、支え合っている。それが彼らにとって最も自然な形なのです。

「世間的には変わった関係かもしれません。でも、僕たちにはこれが完璧にフィットしています。付き合っている、付き合っていないというラベルで関係を定義する必要なんて、本当はないのかもしれません」

さいごに

ここまで読んでくださって、もしかしたら戸惑っている方もいるかもしれません。「付き合わなくていいの?」「そんな不安定な関係で大丈夫?」。そう思うのも当然です。

でも、考えてみてください。「付き合っている」というラベルがあっても、不幸なカップルはたくさんいます。逆に、ラベルがなくても、深く愛し合い、支え合っているパートナーもたくさんいるのです。

大切なのは、形式ではなく、実質です。お互いを尊重し、大切にし、一緒にいることを心から喜べる関係。それが築けているなら、「付き合っている」というラベルは、実はどうでもいいことなのかもしれません。

もし今、「付き合う意味がわからない」と言われて悩んでいるなら、一度立ち止まって考えてみてください。本当に必要なのは「付き合っている」という言葉でしょうか。それとも、お互いを大切にし合える、温かい関係でしょうか。

答えは、あなたの心の中にあります。世間の常識や一般的な恋愛観に縛られず、あなたとその人にとって一番心地よい関係の形を探してみてください。それが、本当の幸せへの近道なのかもしれません。

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