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ドライブデートで「気配りしすぎない」という新しい関係の築き方

よく恋愛雑誌やネットの記事では、ドライブデートでの男性の気配りが絶賛されていますよね。音楽を相手の好みに合わせる、急ブレーキで手を伸ばす、こまめに体調を気遣う。確かに優しさの表れではあるのですが、実はこうした「完璧な気配り」が逆効果になることもあるんです。

最近、恋愛カウンセリングの現場で増えているのが、「彼氏が優しすぎて疲れる」「気を遣われすぎて居心地が悪い」という相談です。一見贅沢な悩みに聞こえるかもしれませんが、これは現代の恋愛における重要な問題を示唆しています。

今日は、あえて従来の「気配り神話」に疑問を投げかけ、自然体でいることの大切さについてお話ししたいと思います。

自分の音楽を堂々と流すことの意味

一般的には「相手の好きな音楽を流すべき」と言われていますが、実はこれ、関係性を深めるチャンスを逃している可能性があります。

28歳の会社員の彼女は、こんな経験を語ってくれました。初めてのドライブデートで、彼は「何が聴きたい?」と聞いてきたそうです。彼女は無難に「なんでもいいよ」と答えたものの、その後も彼は何度も確認してきて、結局当たり障りのないJ-POPのプレイリストが流れ続けたといいます。

「正直、つまらなかったんです。彼がどんな音楽が好きなのか、どんな時にどんな曲を聴くのか知りたかった。それなのに、ずっと私に気を遣ってくれて、彼の人となりが全然見えてこなかったんです」

一方で、彼女が後に付き合うことになった男性は、まったく違うアプローチをとりました。彼は最初から自分の好きなインディーズバンドの曲をかけ、「この曲、すごくいいんだよね」と楽しそうに話してくれたそうです。

「最初は知らないバンドだったけど、彼が好きな理由を熱く語ってくれて、それがすごく魅力的だったんです。彼の価値観や感性が伝わってきて、こういう人なんだって分かった。それに、自分の好きなものを堂々と共有してくれる姿勢が、私のことも対等に見てくれているんだって感じられて嬉しかったです」

この違いは何でしょうか。前者は「相手を喜ばせよう」という意識が強すぎて、自分を出せていませんでした。後者は「自分を知ってもらおう」という姿勢で、結果的に深いコミュニケーションが生まれたのです。

もちろん、相手が明らかに嫌がる音楽を大音量で流すのは配慮が足りません。でも、自分の好きな音楽を紹介し、相手の反応を見ながら会話を広げていく。これこそが、二人の関係を深める本当の「コミュニケーション」ではないでしょうか。

急ブレーキで手を伸ばさない勇気

ドラマでよく見る、急ブレーキ時に助手席の人に手を伸ばすシーン。確かにロマンチックですが、現代の女性の多くは、この行為に複雑な感情を抱いています。

32歳の女性管理職は、こんな本音を明かしてくれました。

「シートベルトをしているのに、わざわざ手で押さえられると、正直『私、そんなに守られないと危ないほど弱い存在なの?』って思っちゃうんです。しかも運転中に片手を離すって、かえって危険じゃないですか」

彼女が印象に残っているのは、別の男性とのドライブです。彼は急な飛び出しで急ブレーキを踏んだ時、両手でしっかりハンドルを握り、落ち着いて対処しました。その後、「びっくりしたね、大丈夫?」と普通に声をかけてくれただけ。

「その自然な対応が、逆にすごく好印象でした。私を子供扱いせず、一人の大人として扱ってくれている感じがしたんです。それに、運転に集中する真剣な横顔を見て、この人は本当の危機管理能力があるんだなって思いました」

過度な演出は、時として相手を「守るべき弱い存在」として位置づけてしまいます。それよりも、相手を対等なパートナーとして尊重し、状況に応じて適切に対応する。その自然さが、現代の恋愛関係では重要なのです。

気配りしすぎない方が、相手の自立を尊重できる

「トイレ大丈夫?」「喉渇いてない?」というこまめな声かけ。一見優しく見えますが、これも度が過ぎると問題が生じます。

26歳の女性は、以前付き合っていた男性とのドライブを振り返ります。

「30分おきくらいに『大丈夫?』って聞かれて、最初は優しいなと思ったんです。でも段々、私が自分で何も言えない人だと思われているのかなって感じるようになって。『私、自分の体調くらい自分で管理できるけど』って思っちゃいました」

彼女が今の彼氏と出会ったのは、その半年後。今の彼は、最初に「何かあったら遠慮なく言ってね」とだけ伝え、その後は特に何も聞いてきませんでした。

「最初は冷たいのかなって思ったんですけど、違ったんです。私が『ちょっとトイレ行きたい』って言ったら、すぐにコンビニに寄ってくれた。でも、私が何も言わない時は、私を信頼して普通にドライブを楽しんでくれる。この距離感がすごく心地よかったです」

この違いは、相手への信頼の表れです。前者は「相手は自分で言えないかもしれない」という前提があり、後者は「相手は必要な時に言ってくれる」という信頼があります。

大人同士の関係において、過度な気配りは時として相手の自律性を奪ってしまいます。「何かあったら言ってね」という一言で信頼を示し、相手が自分で判断し、伝える機会を与える。これが、対等で健全な関係を築く第一歩なのです。

飲み物は一緒に選ぶという選択

事前に相手の好きな飲み物を用意しておく。確かにサプライズとしては素敵ですが、これにも落とし穴があります。

30歳の女性デザイナーは、こんなエピソードを話してくれました。

「初デートで、彼が私の好きだと言った飲み物を用意してくれていたんです。でも実は、その時はそんな気分じゃなくて。でも『せっかく用意してくれたのに断ったら悪いな』と思って、飲みたくないのに飲んだんです。気遣いが重荷になっちゃった」

その後、別の男性とドライブに行った時、彼は「途中でコンビニ寄るけど、何か買う?」とだけ聞いてきました。

「その自然な感じが、逆にすごく楽でした。その時の気分で選べるし、一緒にコンビニに入って『これ新商品だよ』とか話しながら選ぶのも楽しかった。彼が自分の分も適当に選んで、『これ飲んだことないから試してみる』って言う姿も、人間らしくて親近感が湧きました」

完璧な準備は、時として相手にプレッシャーを与えます。それよりも、その場その場で一緒に決めていく柔軟性。その過程での会話や笑い。そういった「完璧じゃない瞬間」にこそ、本当の親密さが生まれるのかもしれません。

完璧すぎない運転が信頼を生む

安全運転は大切ですが、あまりに慎重すぎる運転も考えものです。

29歳の女性は、こんな経験を語ります。

「以前の彼は、ものすごく慎重な運転をする人でした。制限速度を絶対守るし、黄色信号では必ず止まる。最初は安心だと思ったんですけど、段々息苦しくなってきたんです。後ろの車に煽られても頑として速度を上げない。『そこまで頑なじゃなくても』って思いました」

現在のパートナーは、まったく違うタイプです。

「今の彼は、状況に応じて柔軟に運転するんです。流れに乗って走るし、時には『ちょっと飛ばすよ』って言って追い越し車線を使う。もちろん危険運転じゃないですよ。でも、その臨機応変さが頼もしいんです。人生においても、こうやって柔軟に対応できる人なんだろうなって思えました」

完璧主義的な運転は、確かに事故のリスクは下がるかもしれません。でも、それは同時に「失敗を恐れる」「臨機応変に対応できない」というメッセージにもなり得ます。

適度なリスクを取りながら、状況に応じて判断する。その姿勢が、相手に「この人は頼りになる」という印象を与えるのです。

長時間運転より、役割を分担する

「長時間運転してくれる男性に感謝」というストーリーもよく聞きますが、これも考え直す必要があるかもしれません。

27歳の女性は、以前の恋人とのドライブを振り返ります。

「彼はいつも『俺が運転するから大丈夫』って言って、何時間でも運転してくれました。最初は頼もしいと思ったんですけど、段々『私は何もできない人』って思われているのかなって感じるようになって。それに、彼が疲れている様子を見ると、申し訳ない気持ちになりました」

今の彼氏とは、まったく違う関係を築いています。

「今の彼は『疲れたら交代しよう』って最初から言ってくれたんです。私も運転が好きなので、途中で交代して運転しました。彼は助手席で『運転上手いね』って言ってくれて、対等なパートナーとして見てくれているんだなって嬉しかったです。それに、お互い疲れないから、目的地に着いてからも元気に遊べました」

一方的に尽くす関係は、一見美しく見えますが、実は不健全なバランスを生みます。お互いができることをして、お互いが楽しむ。そんな対等な関係の方が、長続きする秘訣なのです。

自然体でいることの本当の魅力

これまで見てきたように、過度な気配りは時として逆効果になります。では、なぜ自然体でいることが大切なのでしょうか。

第一に、自然体でいることは、相手への信頼を示します。「あなたは大人だから、自分のことは自分で管理できる」というメッセージが伝わります。これは、相手の自尊心を尊重し、対等な関係を築く基礎となります。

第二に、自分らしさを出すことで、相手に「本当のあなた」を知ってもらえます。計算された気配りばかりでは、あなたの人となりは伝わりません。好きな音楽、自然な対応、時折見せる人間らしい一面。そういったものが、相手の心を本当に惹きつけるのです。

第三に、完璧を演じないことで、相手も自然体でいられます。あなたが完璧な気配りをし続けると、相手も「自分も完璧に振る舞わなきゃ」とプレッシャーを感じます。でも、お互いが自然体でいられる関係こそ、リラックスできて長続きするのです。

35歳の女性は、結婚5年目の夫婦関係について、こう語ります。

「夫と初めてドライブデートした時、彼は特別な気配りなんてしませんでした。自分の好きな音楽をかけて、普通に運転して、途中で『腹減った?』って聞いてきただけ。でも、その自然さがすごく心地よかった。彼といると、自分も自然体でいられる。それが一番の魅力だったんです。今でもそう。完璧じゃないけど、だからこそ一緒にいて楽なんです」

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